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どん底だからこそ、見えるものがある。|独創誠心 – DOKU SOU SEI SIN – #010

独創誠心 -DOKU SOU SEI SIN-

人生には、できれば味わいたくない時間がある。

思い通りにいかない。
努力しても結果が出ない。
信じていたものが崩れる。
自分だけが取り残されたような気持ちになる。

そんな「どん底」と呼びたくなるような時間を、僕自身も何度も経験してきた。

そのたびに思う。

「どうして、こんなことになったんだろう。」

そう考えている間は、目の前にあるものがすべて「失ったもの」に見えてしまう。

けれど、時間が経って振り返ってみると、不思議なことに気づく。

あのときの苦しさがあったからこそ、思いついたことがある。

あのときの悔しさがあったからこそ、見えた景色がある。

そして、あのどん底にいた自分だからこそ、生み出せたものがある。

人生には、そういうことがある。

逆境の中に、アイデアの種がある。

苦しいとき、人は本気で考える。

順調なときは、今あるものをそのまま使えばいい。

けれど、何かが壊れたとき。

今までの方法が通用しなくなったとき。

「このままではダメだ」と感じた瞬間、人は初めて、本気で別の方法を探し始める。

どうすれば抜け出せるのか。

どうすれば変えられるのか。

どうすれば、今までとは違う未来をつくれるのか。

そこから、思考が始まる。

そして、その思考の中から、まだ誰も見つけていない小さな可能性が生まれることがある。

僕は、それを「アイデアの種」だと思っている。

どん底という土の中には、意外とたくさんの種が落ちている。

ただ、苦しさに目を奪われていると、その存在に気づくことができない。

どん底を、ただの「失敗」で終わらせない。

重要なのは、そこから何を見つけるか。

失敗した。

うまくいかなかった。

思い通りにならなかった。

そこで「自分には無理だった」と結論を出してしまえば、その経験はそこで終わる。

でも、

「なぜ、うまくいかなかったのだろう。」

「何が足りなかったのだろう。」

「この経験から、何を生み出せるだろう。」

そう考え始めた瞬間、同じ出来事の意味が変わってくる。

失敗が、経験になる。

経験が、知識になる。

知識が、発想になる。

そして発想が、新しい創造につながっていく。

つまり、人生で起きた出来事そのものよりも、

その出来事を、自分がどう捉えるか。

そこに大きな違いが生まれる。

誰も思いつかないものは、誰も歩いていない場所から生まれる。

人と同じ場所にいるだけでは、見えない景色がある。

誰もが歩いている道には、すでに多くの答えがある。

もちろん、それが悪いわけではない。

先人の知恵を学ぶことも大切だし、成功している人の方法を参考にすることも必要だ。

けれど、自分だけのものを創りたいのであれば、いつかは自分で道をつくらなければならない。

そのとき、役に立つのが「人とは違う経験」だったりする。

人には話せなかったこと。

悔しくて仕方なかったこと。

何度も失敗したこと。

誰にも理解されなかったこと。

その経験の中に、自分にしか持っていない感覚がある。

そして、その感覚こそが、自分だけの創造につながることがある。

デザインも、ビジネスも、人生も、すべて同じだと思う。

誰かと同じ答えを探すのではなく、

自分が経験したことから、自分だけの答えをつくっていく。

それが、独創ということなのかもしれない。

どん底にいる今だからこそ、見つけてほしい。

もし今、あなたが苦しい場所にいるのなら。

何をやってもうまくいかないと感じているのなら。

自分の人生が止まってしまったように感じているのなら。

今すぐ前向きにならなくてもいい。

無理に「良い経験だった」と思う必要もない。

悔しいなら、悔しくていい。

悲しいなら、悲しくていい。

立ち止まってしまってもいい。

ただ、その時間の中で、ひとつだけ探してほしい。

「この経験の中に、何かの種はないだろうか。」

それだけでいい。

今は価値のないものに見えている経験が、いつか誰かを救う言葉になるかもしれない。

今は失敗にしか見えない出来事が、未来のアイデアになるかもしれない。

今は傷にしか見えないものが、自分だけの強さになるかもしれない。

人生は、何が起こったかだけでは決まらない。

起こったことを、何に変えていくか。

そこから先は、自分次第だ。

逆境は、創造の始まりになる。

僕は、どん底を経験したことを、すべて「良かった」とは言わない。

できることなら、経験したくなかったこともある。

でも、その時間があったからこそ生まれた考えがある。

その時間があったからこそ見えたものがある。

だから今は思う。

人生に無駄な経験などない、というより、

無駄だった経験を、無駄のまま終わらせないことが大切なのだ。

苦しみの中から、一粒の種を見つける。

その種を、自分の手で育てる。

そしていつか、

「この経験があったから、今の自分がいる。」

そう言える日を、自分自身でつくっていく。

それが、人生を創造するということなのだと思う。

― 独創誠心 ―

どん底に落ちたとき、
下を向くことしかできない日もある。

でも、その足元に、
まだ誰も見つけていない
小さな種が落ちているかもしれない。

その種を拾えるのは、
その場所まで歩いてきた
自分だけ。

だから、
今の苦しさも、
いつか創造の花に変えていこう。

The deepest place
may hide the greatest idea.

Find the seed.
Grow it.
Create something only you can create.

KENJI FUKUMOTO

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