「可愛い」だけでは終わらせない。いま、LINO MANONの新しい一足をつくっています。
デザインをしていると、
「もう少し何かを加えたほうがいい」と思う瞬間があります。
そして同時に、
「いや、ここで止めたほうがいい。」
と思う瞬間もあります。
今回、LINO MANONの新しいシューズをデザインしながら、改めてそのことを考えています。
現在制作しているのは、「ラグジュアリーヒールベルトハイトップ」。
まだ完成ではありません。
だからこそ、今の段階で感じていることを、Designer’s Noteとして残しておこうと思います。
白から始める。
今回のデザインで、最初に決めたのは**「白」**でした。
真っ白なイタリア製レザー。
余計な色を最初から入れず、まず白い素材そのものを生かす。
白という色は、とてもシンプルです。
でも、シンプルだから簡単というわけではありません。
むしろ、何もないからこそ、シルエットや素材、ステッチ、パーツの一つひとつが見えてきます。
だから私は、最初から装飾をたくさん入れることは考えませんでした。
まずは白。
そこから、この靴に必要なものだけを足していく。
そんなところからデザインを始めました。
そこで、ゼブラ柄を入れました。
白いレザーだけでも美しい。
でも、何か一つだけ「個性」を加えたい。
そこで選んだのが、ブラック&ホワイトのゼブラ柄です。
ゼブラ柄には独特の強さがあります。
女性らしさだけではなく、少し大胆で、少しワイルド。
けれど、今回のデザインでは、そのゼブラ柄を靴全体に広げることはしませんでした。
あくまで一部分。
白いボディの中に、ブラック&ホワイトのゼブラ柄が見える。
そのくらいが、ちょうどいい。
私は今回、
「ゼブラ柄が好き。でも、派手すぎる靴は好きじゃない。」
そんな女性にも履いてもらえるデザインを意識しています。
そして、色をひとつ。
今回、もう一つ考えているのがカラーアクセントです。
現在は、ヒールとスクエアバックルにピンクを使ったデザインを制作しています。
白。
黒。
そしてピンク。
この3色だけ。
それだけでも、靴の印象は大きく変わります。
ゼブラ柄だけなら、もっとクールになる。
白だけなら、もっとミニマルになる。
そこにピンクを少しだけ加えると、女性らしさが生まれる。
この「少しだけ」という感覚が、今回のデザインでは大切だと思っています。
また、ピンクだけではなく、パープルのようなカラーも試してみたいと考えています。
同じデザインでも、色が変われば女性の印象も変わる。
デザインには、そういう面白さがあります。
「足す」より「残す」。
デザインをしていると、どうしても何かを足したくなります。
ロゴを大きくする。
装飾を増やす。
ラインを入れる。
金具を増やす。
色を増やす。
でも、今回のシューズを制作していて感じたのは、
「足すことより、残すことのほうが難しい」
ということです。
ゼブラ柄がある。
ピンクのヒールがある。
スクエアバックルがある。
それだけで、すでに十分な個性があります。
だから、それ以上必要なのかを一つずつ考える。
「これは本当に必要なのか?」
「このデザインを邪魔していないか?」
「10年後に見ても、好きだと思えるだろうか?」
そんなことを考えながら、少しずつデザインを整えています。
LINO MANONだから、女性らしく。
LINO MANONのシューズをデザインするとき、私は単純に「可愛い靴」を作りたいわけではありません。
女性が履いたときに、
少し背筋が伸びる。
いつもの服が少し違って見える。
自分自身のスタイルに自信を持てる。
そんなシューズを作りたいと思っています。
今回のハイヒールも、ドレススタイルにはもちろん似合うと思います。
華やかな場所で履いてもいい。
夜のファッションに合わせてもいい。
でも、それだけではありません。
シンプルなスタイルに、この一足だけを合わせてもいい。
私はむしろ、そういう着こなしも見てみたいと思っています。
デザインは、まだ終わっていない。
今回の記事を書いている時点で、このシューズはまだ制作途中です。
だから、これが最終形になるとは限りません。
ヒールの色を変えるかもしれない。
ゼブラ柄のバランスを調整するかもしれない。
ロゴの位置を変えるかもしれない。
新しいカラーが生まれるかもしれない。
デザインとは、最初に描いたものをそのまま完成させることではないと思っています。
考えて、作って、見て、また考える。
その繰り返しの中で、
「これだ。」
と思える瞬間を探していく。
今回も、その途中にいます。
「シンプルなのに、忘れられない。」
今回のLINO MANONの新しい一足について、今の私が目指しているのは、この言葉なのかもしれません。
真っ白なイタリア製レザー。
ブラック&ホワイトのゼブラ柄。
そして、ピンクやパープルの小さなアクセント。
一見するとシンプル。
でも、足元を見ると少し違う。
そして、履いている女性の個性が少し強く見える。
そんなシューズにしたい。
派手だから目立つのではなく、デザインのバランスで記憶に残る。
それが、今の私が考えているLINO MANONです。
まだ完成していません。
だからこそ、もう少し考えます。
もう少し削ります。
そして、もう少しだけ遊んでみます。
完成したとき、この一足がどんな表情になっているのか。
デザイナーである私自身も、今から楽しみにしています。
LINO MANON
Luxury Heel Belt High Top
Designed by KENJI FUKUMOTO
Made in Italy



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