スカーフの歴史と、これからのファッション。VIVIANT WOLF・LINO MANONの未来
こんばんは。KENJI FUKUMOTOです。
まずは、VIVIANT WOLF ONE LINE COLLECTION「ROSE FLOWER DESIGN TYPE-Ⅰ」をご購入いただいた皆様、そして製品について多数の温かいメッセージを届けてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
自分が考え、デザインし、形にしたものが、誰かの手に渡り、その人のファッションの一部になる。
デザイナーとして、これほど嬉しいことはありません。
製品を通じて自分の想いやデザインが伝わっていることを実感できるのは、次のものを生み出すための大きな原動力になります。本当にありがとうございます。
今回は、現在展開しているVIVIANT WOLFとLINO MANONのこれからについて、少しお話ししたいと思います。
そして、その未来を考える中で、私自身が以前から関心を持っているアイテムのひとつ、スカーフについても触れてみたいと思います。
VIVIANT WOLFとLINO MANON。その先にあるもの
現在、VIVIANT WOLFとLINO MANONでは、イタリア製のスニーカーやシューズ、バッグなどを中心に展開しています。
素材やシルエット、デザインの細部にこだわりながら、それぞれのブランドらしい世界観を表現していく。
それが、これまで積み重ねてきた活動のひとつです。
しかし、私の中には、ずっと思い描いてきた目標があります。
それは、自分自身の発想から生まれたオリジナルファッションを、もっと幅広く展開していくこと。
数年後に実現したいことなのか。それとも、何十年という時間をかけて形にしていくことなのか。
正直なところ、すべてが明確に決まっているわけではありません。
ただ、頭の中には以前からさまざまな構想があります。
今あるアイテムを少しずつ増やすだけではなく、ファッションの楽しみ方そのものを広げられるようなものを生み出したい。
身に着ける人の個性を引き出し、いつものコーディネートに新しい表情を加えられるものを作りたい。
そして、VIVIANT WOLFとLINO MANONが、それぞれの個性を持ちながら、より多彩なファッションを提案できるブランドへと成長していくことを目指しています。
もちろん、構想していることを今すべてお話しするつもりはありません。
まだ具体的にお伝えできないアイデアもありますし、実現する前の構想を安易に公開することは避けたいと考えています。
デザインは、思いついた段階から大切に育てていくものです。
そのアイデアがどのような形になり、どのような価値を生み出すのか。そこまで考えながら、ひとつずつ可能性を探っていきたいと思っています。
今回は、その構想の中から、私自身が個人的にも好きなアイテムについてお話しします。
スカーフというアイテムが持つ魅力
皆さんは、スカーフにどのようなイメージを持っていますか?
上品でエレガントなアイテム。フォーマルな装いに合わせるもの。あるいは、女性のファッションを華やかに彩るアクセサリー。
もちろん、そうしたイメージもスカーフの魅力のひとつです。
しかし、私にとってスカーフは、それだけにとどまるアイテムではありません。
実は、私は以前からスカーフが好きです。
ネクタイを締める代わりに、スカーフを取り入れることもあります。
首元に巻くだけで、全体の印象が変わる。シンプルな服装でも、スカーフひとつで雰囲気に変化をつけられる。
主役となる服を変えなくても、スタイリングの表情を変えられるところに面白さを感じています。
ファッションは、必ずしも新しい服を買い足すことで変化するものではありません。
手持ちのアイテムをどう組み合わせるか。どのように身に着けるか。どこにアクセントを置くか。
そうした小さな工夫によっても、新しいスタイルは生まれます。
スカーフは、その可能性を分かりやすく感じさせてくれるアイテムのひとつだと思います。
スカーフの歴史から見えてくるもの
スカーフやショールの歴史をたどっていくと、単なる装飾品ではなく、実用性と美しさ、そして異なる文化の交流によって発展してきたことが見えてきます。
防寒や実用性から、装いを彩る存在へ
布を肩や首に掛けたり、身体に巻いたりする習慣は、さまざまな地域や文化に見られます。
そうした布は、防寒や身体を覆うための実用的な役割を持つ一方で、素材や模様、色彩によって、その人の装いや立場を表現するものにもなっていきました。
特に、インドのカシミール地方で作られたショールは、繊細な素材と美しい模様で知られています。
こうしたショールは18世紀後半にはヨーロッパでも流行し、19世紀前半に人気の頂点を迎えました。ヨーロッパでは、その意匠を取り入れた製品も作られるようになり、異なる地域の文化や技術がファッションを通じて結び付いていきました。https://www.metmuseum.org/art/collection/search/838357
ここで興味深いのは、ひとつの地域で生まれたデザインが、別の地域へ伝わることで、新しい解釈や表現を生み出していることです。
模様や素材の魅力が伝わり、それを受け取った人々が自分たちの感性で再構成していく。
その積み重ねによって、ファッションは発展してきたのだと思います。
ペイズリー柄が教えてくれるデザインの面白さ
スカーフやショールの歴史を語るうえで、ペイズリー柄も欠かせません。
曲線を描くような独特のモチーフは、現在でもさまざまなファッションアイテムに用いられています。
その意匠のルーツには、ペルシャなどの地域に見られる植物や樹木を思わせる文様があります。インドやペルシャのショールに使われた模様はヨーロッパで人気を集め、スコットランドのペイズリーなどでも、その意匠を取り入れた製品が生み出されました。https://www.metmuseum.org/art/collection/search/158303
ひとつの模様が、地域を越え、時代を越え、さまざまな形で受け継がれてきたのです。
デザインというものは、必ずしも何もないところから生まれるものばかりではありません。
過去に生まれた美しさを知り、そこに自分なりの解釈を加え、現代の感覚に合う形へと発展させる。
その過程にも、デザインの大きな可能性があると感じます。
シルクスカーフがファッションアイテムとして発展する
時代が進むにつれ、スカーフは素材や製法、デザインの多様化によって、装いを演出するファッションアイテムとしても発展していきました。
その代表的な例のひとつが、エルメスのシルクスカーフです。
エルメスは1937年に、最初のシルクスカーフを製作しました。これはスカーフそのものの誕生ではありませんが、シルクスカーフをブランド独自のデザイン表現として発展させていくうえで、象徴的な出来事のひとつです。https://www.hermes.com/jp/ja/content/235056-six-generations-of-artisans/
シルクならではの光沢や滑らかな質感に加え、絵画のような図柄や色彩、緻密な構成によって、スカーフは単に服装を補うものではなく、それ自体がひとつのデザイン作品としても楽しめる存在になっていきました。
この歴史から私が感じるのは、素材の魅力とデザインの力が組み合わさることで、日常的なアイテムにも特別な価値を生み出せるということです。
そして、その価値は素材の高級さだけで決まるものではありません。
どのようなデザインを施すのか。どのような世界観を表現するのか。身に着ける人にどのような楽しみを提供できるのか。
そこに、デザイナーが考えるべきことがあるのだと思います。
スカーフは、もっと自由に楽しめる
歴史を振り返ると、スカーフにはさまざまな文化や時代の感性が反映されてきました。
では、現代のファッションでは、どのように楽しめるでしょうか。
私は、スカーフにはまだまだ自由な使い方があると考えています。
例えば、首元に巻いてコーディネートのアクセントにする。
シャツやジャケットに合わせて、少しドレッシーな印象を加える。
シンプルなTシャツに合わせて、カジュアルなスタイルに変化をつける。
バッグのハンドルに巻き付けたり、バッグの一部として取り入れたりすることで、いつものバッグに違った表情を与えることもできます。
同じスカーフでも、巻き方や見せ方、合わせる服によって印象は大きく変わります。
エレガントなスタイルだけではなく、カジュアルやストリートファッションにも取り入れられる。
性別や年齢、特定の着こなしのイメージにとらわれず、それぞれの感性で楽しめるところも、スカーフの魅力ではないでしょうか。
私は、ファッションに決められた正解はないと思っています。
もちろん、スタイリングの基本や、素材・色の組み合わせによって生まれる調和はあります。
しかし、最終的に大切なのは、身に着ける本人がそのスタイルを楽しめるかどうかです。
誰かが決めた着こなしをそのまま再現するだけではなく、自分なりの使い方を見つけていく。
スカーフは、そうしたファッションの自由さを楽しむためにも、魅力的なアイテムだと感じています。
もし、自分のブランドでスカーフを作るなら
ここまでスカーフについてお話ししてきましたが、実は、こうしたアイテムも私が将来的に取り組んでみたいと考えているもののひとつです。
特に、シルクスカーフには興味があります。
ただし、単にスカーフを作って販売したいということではありません。
もし自分のブランドで展開するのであれば、素材の魅力だけではなく、デザインとして何を表現するのか、ブランドの世界観とどう結び付けるのか、そして、どのような使い方を提案できるのかまで考えたいと思っています。
VIVIANT WOLFとLINO MANONでは、それぞれ異なる個性を大切にしています。
その個性をどのようにスカーフというアイテムに落とし込むのか。
柄の構成、色彩、サイズ感、素材の選択。服やバッグ、シューズと組み合わせたときに、どのようなスタイルが生まれるのか。
考えるべきことはたくさんあります。
そして、こうした構想は、まだお伝えできる段階にはありません。
具体的なデザインや展開時期について、現時点でお約束できることもありません。
だからこそ、今はさまざまな可能性を考えながら、自分が本当に作りたいもの、ブランドを通じて伝えたいものを見つめ直しているところです。
デザインは、完成した製品だけを見れば、その形や色、素材が注目されます。
しかし、その背景には、なぜそれを作ろうと思ったのか、どのような使い方を想定したのか、何を表現したかったのかという、目には見えない部分があります。
私は、そうした背景まで含めて、自分のデザインを育てていきたいと考えています。
新しいものを生み出すこと。そして、ブランドを育てること
VIVIANT WOLFとLINO MANONの未来を考えるとき、私が大切にしたいのは、単純にアイテム数を増やすことではありません。
ブランドとして何を表現したいのか。
どのようなファッションを提案したいのか。
そして、製品を手に取ってくださる方に、どのような価値や楽しみを届けられるのか。
それらを考えながら、一つひとつのアイテムを形にしていきたいと思っています。
スニーカーやシューズ、バッグから始まったブランドが、これからどのようなアイテムへと広がっていくのか。
今までにない組み合わせや、新しいスタイリングの提案が生まれるのか。
自分自身でも、これからの展開を楽しみにしています。
もちろん、頭の中にある構想がすべて実現するとは限りません。
アイデアを形にするには、デザインだけでなく、素材や製造、品質、価格、販売方法など、さまざまな要素を考える必要があります。
それでも、可能性を考え、試行錯誤し、少しずつ形にしていくことが、ものづくりの面白さだと思っています。
そして、ブランドを育てていくうえで欠かせないのが、製品を手に取ってくださる皆様の存在です。
皆様からいただくメッセージや反応は、単なる評価ではありません。
自分のデザインがどのように受け取られているのかを知り、次のものづくりを考えるための大切な機会です。
これからも、皆様に楽しんでいただけるような製品を生み出していきたいと思います。
最後に
今回は、VIVIANT WOLFとLINO MANONの未来、そして私が個人的にも好きなスカーフについてお話ししました。
スカーフの歴史を振り返ると、ひとつのアイテムが文化や時代を越えながら、さまざまな形で受け継がれてきたことが分かります。
その歴史を知ることは、単に過去を学ぶことではありません。
これから何を作るのか。どのようなデザインを生み出すのか。今あるものに、どのような新しい価値を加えられるのか。
未来のものづくりを考えるためのヒントにもなると思います。
私が目指しているのは、ただ流行を追いかけることではなく、自分自身の感性と考えを大切にしながら、長く向き合っていけるファッションを生み出すことです。
そのために、これからもさまざまな可能性を探りながら、少しずつ前へ進んでいきたいと思います。
VIVIANT WOLF、そしてLINO MANONが、これからどのようなブランドへと成長していくのか。
まだお話しできない構想も含めて、今後の展開を楽しみにしていただけたら嬉しいです。
いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。
これからも、KENJI FUKUMOTOのデザインと、VIVIANT WOLF・LINO MANONをどうぞよろしくお願いいたします。
KENJI FUKUMOTO
Designer / Creative Director
Designer’s Note | My Mind. #013
Fashion is not only about creating something new. It is also about discovering new possibilities in what already exists.
ファッションは、新しいものを生み出すことだけではない。すでにあるものの中に、新しい可能性を見つけることでもある。



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