これまでの「独創誠心」では、
未来を想像すること、逆境の中にある可能性、夢を語ること、続けること、そして自分自身の価値を信じることについて書いてきた。
その中で、僕自身が何度も考えてきたことがある。
それは、
「変わること」と「自分を失うこと」は、本当に同じなのだろうか。
ということだ。
人は、変化を怖がる。
今まで続けてきたことを変えると、
「昔と言っていることが違う」
「前のほうが良かった」
「変わってしまった」
そう言われることがある。
でも、僕は思う。
変わらないことだけが、信念ではない。
むしろ、自分が大切にしているものを守るために、変わらなければならない瞬間もある。
変わらないことが、正解とは限らない。
昔の自分に、今の自分を縛られなくていい。
昔の自分が決めたこと。
昔の自分が好きだったもの。
昔の自分が目指していた場所。
それらを大切にすることは、とても素敵なことだと思う。
でも、
「昔こう言ったから」
「昔こう決めたから」
という理由だけで、今の自分を縛ってしまう必要はない。
人は経験する。
失敗する。
学ぶ。
出会う。
そして、少しずつ考え方が変わっていく。
昨日まで見えなかったものが、今日になって見えることもある。
だから、考えが変わることは、必ずしも「ブレること」ではない。
新しい経験によって、自分の答えが更新された。
そう考えてもいいのだと思う。
本当に守るべきものは、形ではなく「芯」なのかもしれない。
方法が変わっても、想いまで変わる必要はない。
デザインでも、同じことがある。
昔の自分が作っていたものと、今の自分が作るものは違う。
使う素材も違う。
シルエットも違う。
色も違う。
表現方法も変わる。
でも、その奥にある「なぜ作るのか」まで変わったわけではない。
僕にとってデザインは、ただ服や靴を作ることではない。
頭の中にあるものを形にする。
想像していたものを、現実の世界に出していく。
誰かの真似ではなく、自分の感覚と経験から何かを生み出す。
その部分は、ずっと変わらない。
だから僕は、
「変化」と「軸」は、両立できる。
そう思っている。
形が変わってもいい。
やり方が変わってもいい。
環境が変わってもいい。
でも、自分が大切にしているものまで、簡単に手放さなくていい。
変化を恐れると、未来まで過去のままになる。
「今まで通り」が安心とは限らない。
慣れた場所にいると安心する。
慣れたやり方なら失敗も少ない。
だからこそ、人は変化を避けたくなる。
でも、未来は「今まで通り」の延長線上にしかないわけではない。
新しいことを始めれば、新しい失敗がある。
新しい人と出会えば、新しい価値観に触れる。
今まで行かなかった場所へ行けば、今まで見えなかった景色が見える。
それは、とても怖いことでもある。
でも同時に、
まだ知らない自分に出会うための入り口でもある。
変わるということは、今までの自分を否定することではない。
今までの自分が積み重ねてきたものを持ったまま、次の自分へ進むことなのだと思う。
「変わったね」と言われてもいい。
昔の自分と同じである必要はない。
僕は、「変わったね」と言われることを、悪いことだとは思わない。
むしろ、何年も生きて、何も変わらないほうが不思議なのかもしれない。
経験したことも違う。
出会った人も違う。
失敗した数も違う。
見てきた景色も違う。
それなのに、何年経っても同じ考え方だけを持ち続ける必要があるだろうか。
もちろん、変わらないものもある。
自分が大切にしている信念。
人に対する誠実さ。
自分の仕事に対する姿勢。
創ることへの情熱。
そういうものは、むしろ時間をかけて強くなっていく。
だから、
変わることを恐れなくていい。
変わってはいけない部分と、変えていい部分。
その両方を、自分で見極めていけばいい。
人生は、完成した作品ではない。
描きながら、何度でもデザインし直せばいい。
以前、僕は人生を一枚の絵画に例えた。
一度描いた線を消すことができないからこそ、その上から新しい色を重ねていく。
人生も、それと似ている。
過去は消せない。
失敗も消えない。
後悔も消えない。
でも、その上から新しい経験を重ねることはできる。
だから人生は、完成してから次へ進むものではない。
生きながら、何度でもデザインし直していくものなのだと思う。
昨日の自分が選んだ道を、今日の自分が変えてもいい。
昔の夢を、新しい夢に変えてもいい。
一度諦めたことに、もう一度挑戦してもいい。
逆に、ずっと追い続けてきたものを手放してもいい。
大切なのは、
「昔の自分を裏切ってはいけない」
ではなく、
「今の自分は、本当にこれを望んでいるのか」
と、自分自身に問い続けることなのだと思う。
自分を変えるのではなく、自分を更新する。
未来の自分は、今の自分より少し自由でいい。
変化することに、罪悪感を持たなくていい。
人は変わる。
考え方も変わる。
夢も変わる。
生き方も変わる。
それでいい。
その変化の中で、自分が大切にしているものだけは、しっかり抱えていればいい。
僕はこれからも、変わっていくと思う。
デザインも変わる。
考え方も変わる。
作るものも変わる。
そして、きっと「独創誠心」に書く言葉も変わっていく。
でも、
「想像から創造へ。」
という想いは、これからも大切にしていきたい。
自分の人生を、自分の手でデザインする。
そのためには、ときには変わる勇気も必要なのだと思う。
― 独創誠心 ―
変わることを、
恐れなくていい。
昨日の自分と、
今日の自分が違ってもいい。
変わったのではなく、
歩いてきたからこそ、
見える景色が変わっただけ。
大切なものを抱えたまま、
新しい自分へ進めばいい。
人生は、
完成した作品じゃない。
何度でも描き直せる、
自分だけの一枚の絵画だから。
Change is not losing yourself.
It is becoming who you are meant to be.
Keep your core.
Change your shape.
Create your own life.
KENJI FUKUMOTO


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