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答えが出ない時間にも、意味がある。|独創誠心 – DOKU SOU SEI SIN – #015

独創誠心 -DOKU SOU SEI SIN-

何かを始めたとき、すぐに答えが出るとは限らない。

頑張っているのに、結果が出ない。

考えているのに、答えが見つからない。

何度やっても、うまくいかない。

そんな時間が続くと、

「このままでいいのだろうか」

「自分には向いていないのではないか」

「もう諦めたほうがいいのではないか」

そんなふうに思ってしまうことがある。

僕自身も、何かを作るとき、何度もそういう時間を経験してきた。

デザインでも、仕事でも、人生でも、

「何も進んでいないように見える時間」

というものがある。

でも、今になって思う。

その時間は、本当に何も生み出していなかったのだろうか。

答えが見つからないからこそ、考える。

すぐに答えが出ないことを、失敗だと思わなくていい。

答えがすぐに見つかるものなら、誰がやっても同じ結果になる。

けれど、自分にしか作れないものや、自分の人生そのものに関わることは、そんなに簡単には答えが出ない。

何度も考える。

迷う。

やり直す。

一度決めたことを、もう一度疑ってみる。

そしてまた考える。

一見すると、遠回りに見える。

でも、その「考えた時間」は、決して消えてはいない。

たとえ最終的に選ばなかった答えであっても、

「これは違う」

と分かったこと自体が、次の答えにつながっていく。

だから僕は、

「答えが出なかった」ことと「何もしていなかった」ことは、同じではない。

そう思っている。

何も生まれていないように見える時間がある。

土の中にいる種は、外からは見えない。

花の種を土に植えても、次の日に花が咲くわけではない。

土の上から見れば、何も変わっていない。

でも、見えない場所では何かが始まっている。

根を伸ばしているのかもしれない。

土の中で、芽を出す準備をしているのかもしれない。

人間も、少し似ていると思う。

何かを学んでいるとき。

何かを作っているとき。

自分の生き方について悩んでいるとき。

周りから見れば、

「何も変わっていない」

ように見えるかもしれない。

でも、自分の中では少しずつ何かが変わっている。

昨日まで知らなかったことを知った。

昨日まで考えなかったことを考えた。

昨日まで気づかなかった自分の弱さに気づいた。

それだけでも、確実に前とは違う。

見えない成長というものも、人生にはある。

「まだ答えが出ていない」だけかもしれない。

今の自分だけを見て、未来まで決めなくていい。

人生の途中にいると、今の状態だけを見てしまう。

今、売れていない。

今、認められていない。

今、うまくいっていない。

今、何者でもない。

だから、

「きっとこの先も変わらない」

と思ってしまう。

でも、それはまだ分からない。

今はまだ途中だからだ。

完成していない作品を見て、

「この作品には価値がない」

と決めることはできない。

人生も同じだと思う。

今の自分は、まだ途中の自分だ。

だから、今答えが出ていないからといって、未来まで答えが出ないとは限らない。

むしろ、今の自分には見えていない答えが、これからの経験によって見えてくることだってある。

焦って答えを作らなくてもいい。

誰かの答えを、自分の答えにしなくていい。

答えが出ないと、不安になる。

そんなとき、人は誰かの答えを借りたくなる。

「あの人がこう言っているから」

「みんながそうしているから」

「普通はこうするものだから」

もちろん、人の経験から学ぶことは大切だ。

でも、それをそのまま自分の答えにしてしまうと、自分自身で考える時間がなくなってしまう。

僕は、答えを急がなくてもいいと思う。

分からないなら、

「今は分からない」

でいい。

迷っているなら、

「今は迷っている」

でいい。

それは逃げではない。

自分の答えを、自分の時間で探しているだけだ。

創る人には、「余白」が必要なのかもしれない。

何も決まっていない時間から、新しいものが生まれる。

デザインをしていると、最初から完成形が見えているとは限らない。

頭の中にぼんやりしたイメージがあっても、それをどう形にするのか分からないことがある。

描いてみる。

消してみる。

また描く。

違う形を試す。

しばらく時間を置く。

そして、ある瞬間に、

「ああ、これだ」

と思えることがある。

その瞬間だけを見ると、突然答えが出たように見える。

でも、本当は違う。

その答えにたどり着くまでに、たくさんの「違う」を積み重ねてきた。

だから、

答えとは、突然降ってくるものではなく、考え続けた時間の中から浮かび上がってくるものなのかもしれない。

答えが出ない時間も、自分の人生の一部になる。

迷った時間さえ、未来の自分をつくっていく。

いつか振り返ったとき、

「あのとき、なぜあんなに悩んでいたんだろう」

と思う日が来るかもしれない。

そして、そのとき初めて分かることがある。

あの迷いがあったから、今の自分がいる。

あの失敗があったから、今の考え方がある。

あの遠回りがあったから、今の道を選べた。

あの何も進んでいないように感じた時間があったから、今の自分の答えが生まれた。

人生は、その瞬間だけでは意味が分からない出来事がたくさんある。

だからこそ、

「今、意味が分からない」ことを、無意味だと決めつけないこと。

答えは、後から見つかることもある。

意味は、後から生まれることもある。

だから、もう少しだけ待ってみよう。

自分の中で何かが育っていると信じてみる。

もし今、答えが見つからないなら。

もし今、何をすればいいのか分からないなら。

無理に答えを作らなくてもいい。

少し立ち止まってもいい。

考えてもいい。

迷ってもいい。

そして、また歩き出せばいい。

大切なのは、答えが出ない自分を責め続けないこと。

今の自分に分からないことがあるのは、当然なのだから。

まだ見えていないだけかもしれない。

まだ経験が足りないだけかもしれない。

まだ、その時期が来ていないだけかもしれない。

だから僕は、

答えが出ない時間も、自分の人生の大切な時間として受け入れたい。

その時間の中で考えたこと。

悩んだこと。

諦めなかったこと。

それらはいつか、自分だけの答えをつくる材料になる。

人生は、いつも答え合わせをしながら進むものではない。

ときには、答えが分からないまま歩く。

そして歩いた先で、

「あの時間にも、ちゃんと意味があったんだ」

と気づく。

そんな人生でも、いいのだと思う。

― 独創誠心 ―

答えが見つからない夜も、
無駄ではない。

迷った時間も、
立ち止まった時間も、
きっとどこかで
自分の中に積もっている。

今はまだ、
何も見えなくてもいい。

土の中で眠る種のように、
見えない場所で
何かが始まっているかもしれない。

焦らなくていい。

答えは、
今日見つからなくてもいい。

歩き続けたその先で、
「あの時間があったから」と
思える日が来るかもしれない。

Not every answer comes today.
Some answers need time to grow.

Keep thinking.
Keep walking.
Your answer will find its way.

KENJI FUKUMOTO

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